HOME > ナレーターたちの物語 > 声優ミゼラブル > 第2幕・ヒッキーの 「温泉でチー!」

声優,ナレーター,松田佑貴,養成所,ナレーター,

声優ミゼラブル2話・ナレーターメルマガ

2008年9月4日 ナレーターメルマガ91号より転載

声優とナレーターを両立/ヒッキー
ひきこもりで青春を棒にふってしまったヒッキー。
だが人見知りで会話もできずわがまま放題の元引きこもりにとって社会の風は冷たかった。そんな職を転々とする彼の前に現れた、魅力的な職業、それが声優だった。

「俺声優になる!しゃべるだけで稼げるなんてラクショー!」

不逞極まりない夢を描き噂のマンモス養成所へ。自分から辞めるまで永遠に通う事が出来るというアマ~イ空間で気がつけば4年。ようやく養成所をやめる決心をしたヒッキーの前に、とある出会いが待っていたのだった!

ネットでポンっ!

声優養成所から事務所所属まで養成所を辞め、仕事もやることもない日々の中、元ひきこもりが手をつけるものは決まっていた。それは「インターネット」。なにげなくネットの中を徘徊する毎日。そんなある日、某ベテラン声優(飛葉ミゲ~ル氏)が、ネットで「ファンと行く温泉ツアー」を募集していた。実はヒッキー、アニメには疎かった。当時はなーんとなく聞いたことあるなぁくらいのお名前だった…でもなぜか気にかかる。行ってみたいと思った。

がしかーーーし!ひとつ大きな問題が!

『俺…初対面の人としゃべるの怖い…_| ̄|○ 』

だってヒッキーは、引きこもり。
しかし。声優という大きな目標の前に、そんな障害は・・・・
大きい。もう…だめだ…。

【参加する】というボタンの上にカーソルをあわせたまま動けないヒッキー。ようやくボタンを押した時には、陽がのぼっていたのだった。今にして思えば、朝まで考え続けたこのワンプッシュが、信じられない奇跡を起こしていくのだった。

温泉でポンっ!

旅行はまさにファンの集いといった趣きだった。ベテランとして長い歴史をもつ飛場さんと、まるで10年来の知人のようにはしゃぐファンたち。まんじりともせず、ちょこんと隅に座っているヒッキー。そう、まさに「予想通りの展開」

誰とも話さず入る、雪山の露天風呂は心なしかぬるま湯でした。
帰りたい…いつでも快適で、必要なものならなんでもある、言うことはなんでもきいてくれたあの「自分の部屋」へ。

でも、湯船から出るのも、寒いし。肩までつかった温泉からみる雪景色が、だんだんと灰色に見えだしたころ。
熱燗をがんがん飲みながら飛場さんが『おめさ、そんなに引っ込み思案で、声優さ目指してるの?おもしろいじゃない。今度わだずの舞台の手伝い、やってみる?』

ばしゃん!
おもわず温泉でおぼれかけた。予想「ガイ」の展開が待っていた。パパが犬どころの騒ぎじゃない!アニキがガイジンどころの騒ぎじゃない!

え?マジっすか?
ホンキで言ってるんですか?だって、私ヒッキーですよ?
しかし、事の重大さを考え、次の瞬間心が躍り出す。
そりゃもう、ソッコー超お手伝いしますよ。ヒッキーで良かったら、何でもしますよ。全言撤回しないうちに、早くお手伝いさせて下さい。

という心の声は、ヒッキーであるが故に言葉にならなかった…が、どうしても参加したい。あらん限りのボディランゲージを駆使して、”やらせてください!”ということを伝えたのだった。

舞台でポンっ!

後日、スタッフから電話が入る。「ヒッキー様ですか?ウチの飛葉からお話がありまして、お電話しました。舞台をお手伝いしていただけるとの事で・・・本当にありがとうございます。」

ひっきー”様”っ?!!!な、ななんですか、こ、この超テイネイな喋りは・・・?
ヒッキー、人生初体験!た、大切にされてるーっ!

ここで初めて気づく。ベテラン声優は、ホントに凄いヒトだった!思えばビッグタイトルでの主役を持ち、脇にまわってもかならず異彩を放つ存在。これぞまさに威光ですよ。大物俳優の2世みたいな、そんなアツカイですよ。ヒッキー、養成所をやめていきなりの人生大逆転!見事、ベテラン声優の鶴の一声で頂点に上りつめる!・・こうして、舞台のお手伝いが始まった。

お手伝いは、そりゃ一生懸命やりましたよ。何やったか覚えてないけど、頑張った印象だけは覚えています。と言っても、ムズカシイ事は何もない。
だってね、もう稽古は始まっちゃってるし、この時点で残ってる仕事なんてほとんどなかったのですわ。ちなみに、その頃の一日のスケジュールと言えば・・・。
稽古(見学)→飲み会→おごってもらう→稽古(見学)→飲み会→おごってもらう→(以下略)
ははっ。人生、らくしょー・・・な訳がない。

その頃ついたあだ名は「宇宙人」。濃密な劇団生活の中でもまだ、人とうまく会話も出来なかったのだ。
嗚呼。早く人間になりた~~い。そう、しゃべることが仕事の声優を目指しているのに、あたり前の会話すらきちんとできない自分。
・・・それも一時の有頂天だった。気づいてみるとまたもやどん底にいるヒッキー。
やはり声優になるのは無理なのか・・・。

そう、ヒッキーは、自室から飛び出し社会復帰をするはずが、いつしか宇宙空間まで飛んでいってしまっていました。

季節は、春。
連日稽古通いするヒッキーを、街路樹の若葉が見守っていました。
そんなヒッキーにまたしても奇跡がおこる!つづく。

ナレーターを応援したいナレーターを応援したい







ナレーターたちの物語ナレーターたちの物語

ナレーター,ナレーション,知識,情報,ナレーター,ナレーション,知識,情報,

ナレーター,ナレーション,マネージャー,専門,事務所,ナレーター,ナレーション,マネージャー,専門,事務所,

ナレーターメルマガを読むナレーターメルマガを読む

ヒッキー

声優とナレーターを両立・ヒッキー引きこもりから抜け出し、声優からナレーターになった男。
現在ではドキュメンタリーや番組のレギュラーナレーション、声優としては大ヒット作に出演するなどみごと社会復帰を果たした。

ガンバルジャン

声優ジュニアからナレーターに・ガンバルジャン夢にまで見た声優ジュニアは、まるで「レ・ミゼラブル(ああ無情)」な世界だった…。ナレーションを学ぶことで番組レギュラーをもち、社会復帰に至った、男泣きナレーター。