2006年12月7日 ナレーターメルマガ34号より転載

籠の鳥だった少女時代を救ってくれた声優・冨城康男(とみじょうやすお)の愛を渇望するあまり、同じテレビ番組に出演していた大ベテラン声優タッキーへ熱烈な営業をしかけた亀子…
しかし、彼女の頭上に輝く不運の星が、またしても妖しい光を帯びる!
ベテラン声優から、事務所所属をちらつかされながら一夜を強要される苦い経験は、人生を甘くみている亀子のトラウマをあぶり出してしまったのである…

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◉亀子:ホテルに連れ込まれそうになって、少林寺拳法で逃げたあと…それから小金沢事務所にいづらくなったんヨ。…なんぼ〈過去の人〉といっても、業界の功労者ではあるんヤし…やっぱり怖かった。今回はウチは悪くないけど、そうも簡単にいかんのが、人と人との関わりあい….。実はね、前にも一度《過去の人》である声優とモメた経験がおましてね…その事を思い出して…ほら、以前話した旦那いてますやろ…


賢明なる読者諸兄は記憶しているであろう!
ここで言う〈旦那〉とは、かつて、喰うや喰わずの亀子が六本木のおとなクラブで出会い、フリーでやりくりしていた彼女を自ら経営する事務所にひきとった旦那、すなわち声優で手品師の「ガンジーちょきん」その人である!

ちなみに、ちょきんプロの主な仕事は、司会やヒーローショーの着ぐるみ出演であった。貧乏きわまりない当時の亀子は、結婚式司会での祝儀などをあてにその日暮らしを続けていたが『あ、アカン!司会をナンボやったところで冨城の旦那には出会まへんがな!』と気づき、以来ナレーションの営業に燃え、ついにはVPのレギュラーを数本抱えたところで、大手事務所Hへと向かったのである!



◉亀子:ちょきんのお師匠んとこにおったときに巡り会った仕事、実はそれが…おとなビデオやねん。ちょきんのお師匠もだいぶピーピーな頃やったし、一も二もなく引き受けはって。それにウチもお誘いしてもろたって訳なんおす。ウチも嬉しかったな。なんというてもギャラがエエから…実をいうとね、おとなビデオは最初は、ちょきんと並んで出演する《顔出しの司会者》やったンよ。

◯謎配:か、顔出しーΣ( ̄□ ̄)?!ちょきん師匠がー?!か、亀子さんも???声だけって言ってたじゃないですか?!

◉亀子:うん、最初のころだけネ。でもおとなビデオの会社に視聴者から『服を着た女とじじいを画面に映すな!』と投書が続出して、ウチらは声だけになったンよ。

◯謎配:お互いになんちゅう切実な投書なんでしょうか…(;´д⊂)。でも、あれ???亀子さんが大手事務所Hをクビになったのは、おとなビデオが原因ですよね?ちょきんプロをやめたときに、そのレギュラーをおいていかなかったんですか?

◉亀子:うん。スタッフがみんな応援してくれて。ウチ、半年前くらいから辞めることを報告していたし、レギュラーも降りるつもりやった。でもスタッフさんから『ちょきんプロは関係なく、一緒にやっていきましょう』って言ってもらえて。

◯謎配:おお!やっぱり、理解してくれる人が、どこかに必ずいるんですね!

◉亀子:なのに、ちょきんプロを辞めた後日、社長室で『おまはん、こんな不義理で、この業界でやっていけると思うてまんのか』と脅し文句言われて…。確かに最初はちょプロの看板できた仕事ではあるけど、ちょきんプロを辞めるころにはちょきん師匠の出番はなくなってて、ほとんどウチだけの現場にはなってたンよ。だから、スタッフもウチについてくれたはずなんやけど…やっぱりこわかったナ。

◯謎配:それはたしかに怖い…

◉亀子:その後もちょプロの若い子が、現場でウチのあることないことウワサ振りまいてたしね。そいつの現場の後にウチが行くと、かならずスタッフから『また言ってましたよw』てね。どこのスタッフさんもみなウチに味方してくれたから良かったけど、こういうの、ほんま怖い。

◯謎配:それは良くないですね。卑怯だから。そもそも、移籍は強い意志をもって「すじを通して」いけばいいんだと思います。もちろん感情的な問題もあって簡単ではありませんが…。でも移籍は『自分の人生を切り開いていく選択』としてあっていいんだと思うんです。でなきゃ依存しなければいけなくなってしまう。そしてプレーヤーの人生の責任をきちんと取っている事務所なんて本当にあるのかどうか…しかし、いくらレギュラーを持っていかれたからといってスジを通した亀子さんへの人格攻撃は…やっぱり辞めて正解の事務所だったと思いますよ。

◉亀子:ちょきんのお師匠はね、やっぱりメンツを潰されたことに怒ったんやと思う…こういうのって、〈過去の人〉ほど敏感になるから…力がないから逆に言いたくなるんやろネ。実際、今にして思えば限られた範囲で、ウワサふりまく程度のことしかできひんかったしネ…でも当時は目の前真っ暗になってね。ありとあらゆる場所で、いやがらせをされる妄想にとらわれてね…

◯謎配:で、今回、タッキーさんのメンツを潰す形になって、その時トラウマが蘇ったんですね… 

◉亀子:今回のタッキーはんは、小金沢事務所という小さな世界での話やもん。ウワサが回ってしまうんやないかと、不安で…。ウチ、そもそも大手でうまく泳ぐ自信もなかったンヨ。些細な事で偉いさん怒らせたら…と思うと、事務所へのアピールもようせんようになって…
であんまり落ち込んだんで、小金沢事務所の先輩プレイヤーである〈スキクワさん〉に相談をネ。すると《亀子氏、仕事もきてないようですしなあ。…どうだろう、ここは小金沢事務所を辞めてみては?》と言われてね。

◯謎配:ええ?!なんちゅう無責任な!?

◉亀子:それが違うんヨ。スキクワさんは40代でサラリーマンからナレーターに転職した旦那。人生の酸いも甘いも会社組織で経験してるし、ほんまに優しい旦那なんどす。せやさけ、この発言にはとてつもない秘策があったんおす…

トラウマにおそわれ、またも歩みを止めてしまった亀子。
次回、勢いを失い運勢に見捨てられた亀子をみかねて、小金沢事務所3人目の男闘呼スキクワが授けた秘策とはー?『優しい先輩スキクワさんの脱サラ処世術』

長いもに巻かれたいのに、巻いてくれない。そんな亀子の明日は、どっちだ?!

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