HOME > ナレーション知識 > ナレーターメルマガ読み切り集 > vol.2 新人ナレーター織田っぱの「コピー論」

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2012年10月11日ナレーターメルマガ206号より転載

スクールバーズ出身で、現在は日テレ「ヒルナンデス」などでポップな読みを展開するナレーター「織田っぱ」。
ナレーターを目指してからわずか2年でレギュラーをつかんだ彼の練習方法は「コピー」だ。それは彼だけでなく多くのトッププロが”売れた今でも続ける”オールマイティな訓練。その内容は一見シンプルだが、奧が深く、初心者の中には”触りだけで終わってしまう”残念なケースも多い。それくらいコピーは難しいのだ。

そんな彼が「スクールバーズBLOG」で公開してくれた『コピー。意味と方法』大幅編集を加えてお届けします。

なぜコピーするのか

コピーの作業は大変です。経験するとテレビを“ちゃんと見れる”ようになります。番組の作り方などプロの意識で見た事は、僕ぁありませんでした。「ナレーターとして」「視聴者代表として」「スタッフとして」「与え手として」「買い手として」見る。

そうする中で“今”がわかる。今売れてるのは誰か、何か、何故か。コピー対象が判断材料になり“自分の中に基準”が出来ます。漠然と練習してもすぐに行き詰まってしまうのは、基準がないからかもしれません。

コピーの目的は「自分が売れるにはどうするのか」を実感、実践することです。実践していく中で自分がいかにコピーできないかってコトも分かります。自分が出る、という言い方が近いかもしれません。僕ぁコピーしてはじめて自分が客観視できるようになりました。

手順

[1]コピーするナレーターを決める

自分の好き嫌いではなく、今“本当に売れてる人(レギュラー本数などを参考に)”を選ぶコトをオススメします。好みで選ぶとコピーではなく憧れで終わりがちです。また名前だけ有名で、残念ながら今は売れてない方もたくさん居らっしゃいます。

[2]番組の録画

コピー対象の方が担当されてる全ての番組を録画します。違う番組もみることで、表現の差異をチェックする為です。自分の好き嫌いの余地を作らせずラクしない為でもあります。

[3]原稿の書き起こし

一音一句違わず書き起こしていきます。たまに聞き取れない箇所が出てきてイライラしますが、コピーとしては実は儲け物です。その方のクセの手がかりになるからです。
30分番組で平均2時間は掛かります。これだけは多分一生慣れません。本当にしんどく嫌になります。あまりに時間が掛かるので、僕ぁ書き起こしのみの日を作りました。

[4]コピー(聞き取り編)

まだ原稿は見ません。まずひたすら映像を観ながら何も考えずに、何度も聞き返します。とにかく聞きまくり。すると「緩急やブレス位置」と「強弱」が自然と記憶されていきます。そこまで聞き込んだら映像とズレたり、原稿の意味が分からなくなる事はまずありません。

[5]コピー(なぞり読み編)

ようやく声に出して読んでみます。「高低(音階)」に注目し細かくコピーを深めていきます。高低の要素が入ると、緩急や強弱やブレスの位置の総合バランスが、取りやすくなったり取りにくくなる箇所が出てきます。

実はこの”うまくなぞれない原因”が『プレイヤーの生理』。盗み切れてない、ということなのです。

コピーの先にみえる「生理」

何度もコピーしていると、相手が「どうゆう姿勢か」「どうゆう口の開け方か」「どこを共鳴させたか」といったフィジカル面はもちろん、なぞっていくうちに「どう読みたかったのか」「やりたい事とやりたくない事」「出来る事と出来ない事」「体調」までも感とじれるようになってきます。

生理をさぐるヒントは「なんで?」です。「なんでこんな読み方?」「なんでコレが受けるのか?」それを突き詰めることで、何が自分にはあるのか、足りないのか、など自己の確立になるんではないでしょうか。

すぐにうまくはできない

もちろんコピーしても、なかなかできない事は多々あります。名店の秘伝のタレを、その通りに作っても再現できないように。そしてつい“コピーしたいところしかコピーしなくなる”。
たいへん言葉が悪いですが、コピーの一番の邪魔になるのが、実はこの「自分」というものです。結局、自分の制限を自分で決めてしまってるワケです。

でも、何かしら変わりたくて、活路を見出だす為に、コピーをされる方が大半ではないかと思われます。今のままではダメだと思ってる自分にこだわる事ほど惨めな事は無いんじゃないかなぁと、僕ぁ思います。

自分は絶対に無くならない

どんなに忠実にコピーしても自分というものは絶対に無くなりません。良くも悪くも溢れだします。
だからこそ(特に声業界の経験があるかたは)“できるだけ”これまでの自分の技やキャリアを空っぽに近付けた状態でコピーに臨んでほしい。
実はコピーって、何か外力を吸収してプラスしていくのではなく、自分本来の内なる力を引き出したり発見する旅だったりします。その可能性の一番の近道が、“今までの自分を”空っぽにする事だと、僕ぁ信じてます。

目的なしには意味がない

「期限・期間」を決め「目的」を以てコピーに取り組んで下さい。
何でも構わないのですが、ココだけは自覚がないと、ただ“やらされてる”“やれば何とかなる”の依存精神に繋がります。
あくまでコピーは手段の一つで、目的ではありません。「何の為にコピーするのか」何でも良いので、必ずご自身で問い続けて下さい。


以上で、僕のコピー論は終わりです。
最後に、僕も勉強中なので完璧ではありません。だからドンドン論破して下さい。活性化するなら何でもアリ、大賛成です。
皆様に、せめてもの恩返しになりますよう。今回も大変、長らくのお付き合い、ありがとうございます(織田っぱ)

<本人による書き込み全文>
◎コピー論1
http://schoolbirdsblog.seesaa.net/article/152627992.html
◎コピー論2
http://schoolbirdsblog.seesaa.net/article/152628009.html

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