HOME > マネージャーの視点 > マネージャー小窓王の「改編の狼」 > #11 キャスティングの時間【その2】

ナレーター専門,マネージャー、番組改編期,

2010年8月26日 ナレーターメルマガ148号より転載

新番組,キャスティングマネージャーたちは、いったいどのようにキャスティングしているのだろうか?その瞬間は何が起こっているのか。今回の『改編の狼』はナレーターたちの素朴な疑問に答えるセミドキュメントである。
前回、深夜のバラエティ新番組「ドンと恋フシギちゃん」に女性の新人4名をキャスティングして挑んだ小窓王。その結果は?!


時間内にできることはやった。後は吉報を待つだけ。なによりも連絡をしたプレーヤーたちもその知らせを首を長くして待っているはずだ。プレーヤーが喜ぶ顔をみたい。それがマネージャーの歓びでもあるから。そしてついに新番組のディレクターから着信が!

D「小窓王さん、候補ありがとうございました。でも今回は別の方で決まりました・・・」
小窓王「え???あ、あ、そうですか(涙)・・・ちなみにどなたで決まったんでしょう?」
D「”芋煮会オフィス”の「ずんだ一人」さんです」

小窓王「え、あの売れっ子ナレーターのずんだ一人ですか!?男性じゃないですか、女性を探してるって言ってたのに…!?」
D「う~ん、プロデューサーの意向で決まったんですよね~。じゃ、また次回よろしくお願いします」
小窓王「・・・」

やられた…。
「予算が少ないので新人女性でいい」といってたはず。読みが甘いといえば甘かった。まさか男性に決まるとは…とんびに油揚をさらわれたような、あっという間の敗北感。

しばし呆気にとられていたが、やがて我にかえって、ひとつひとつを思い返してみる。 ディレクターとプロデューサーの力関係もあるだろう。仕方ないといえば仕方ない。売れっ子のずんだ一人なら、番組を持っていかれても納得は、する。
あ”~!でも新人って言ってたのに~…わかってればベルベットのプレーヤーたちを出して、もっといい勝負が出来たかもしれない…!
くっそー。ずんだ一人はどうして決まったんだ。どんなアプローチがあったというのか。この番組のプロデューサーが作ってる他の番組は…
あ!!これまでほとんど”芋煮会オフィス”のナレーターを使っていたんだ…。ということはそのラインで攻めてきたのか。もしかしたらずんだ一人もあの番組からこう来たのかもしれない…


ことがこうなってしまった以上、全ては推測でしかない。だが、後から検証すれば、思い当たる節はいくつもあった。とにかく、冷静によく考えてみれば、ずんだ一人のキャスティングは、至極妥当なライン。どうしてこうなったのか。
ディレクターが口にした『新人』『女性』。いくつかのキーワードに、無意識に振り回されていた自分に気がつく…読みが、浅かったのだ。
『キャスティングは”受け手になるな、与え手になれ”。本当に指揮権をもつ中心人物でない限り、実はスタッフですら受け手だからだ』大窓王にそういわれていたのに。

その夜、酒の席に誘ってくれた大窓王に、思い切って打ち明けてみた。
小窓王「深夜の新番組なんですが、Aさん(キャリアで無難にまとめる)Bさん(ストレートな読み)Dさん(声優系の読み)Hさん(スタッフをつかむのが上手そう)の4名の女性を提案したんですが、どう思います?」
大窓王「うーん。だいたいのバランスはいいんだけどね。できれば、さらに発見や驚きがあるとなお良いだろうね」
小窓王「発見や驚き?な、なんですか?」
大窓王「まずその番組なんだけど『深夜で芸人さんが各地の不思議スポットをレポート』って企画がそもそもつまんない感じじゃない?だからもっとナレーションで引っぱっていくくらいのキャスティングが、面白いんじゃないかな」
小窓王「大窓王なら、例えば誰をキャスティングします?」
大窓王「最近聞いたボイスサンプルだと誰かな…荒削りだけどインパクトのある表現をするGさんとかかな」
小窓王「Gさんかぁ。面白い表現をするので、ぼくも一瞬考えたんですが、やはり踏み込めませんでした。面白い以前に、しっかり読めるかどうかが心配になっちゃって」
大窓王「バラエティーは踏み込みが大事。失敗を怖れて、新人を入れる事に冒険が出来なくなってはマネージャーとしては一流になれないよ。それに『しっかりした女性ナレーター』ってだけの指定だと、大手事務所から結構な数が集まるからね。その中で一人選ばれるには、かなりの実力差があるか、それとも奇抜さを狙うかどちらかだろうね」
小窓王「そう云われればそうですね。その他大勢に埋もれないようにしなければ勝ち抜けないですもんね」
大窓王「あと、それに一つ付け加えて「女性の中にぽつりと男性を入れておく」。ベルベットでいえば、あおい洋一郎さんとかさ。そうすると意外性あるでしょ(笑)」
小窓王「ええ!!実は、芋煮会オフィスのずんだ一人さんが決まったんですよ!」
大窓王「なんだ決まってたのか・・・うーむ。やっぱりそう来たのか。こういう真逆のキャスティングってタマにあるんだよね。押さえておかなきゃいけないポイントの一つ」


その深夜のバラエティ新番組「ドンと恋フシギちゃん」はずんだ一人さんのナレーションもあって好調な視聴率をたたき出していた。
番組を取れなかったことは悔しい。でも終わったことは忘れよう。
パキーン、パチリ。

その後、すっかり番組の事を忘れ果てていた小窓王。だがそんな小窓王の心をなお奮い立たせるべく、大窓王から逆転を狙う極秘ミッションが下るのであった!!

次回をお楽しみに。つづく・・・

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